プチプチ食感のアマランサス
アマランサスとは南米ペルーが原産のヒユ科ヒユ属の植物の総称で、
アマランサスもキヌア同様に抜群の栄養バランスと、グルテンフリー・低アレルギーな穀物です。
アマランサスの種子は、ひえやあわ、きびといったイネ科の雑穀類と形や大きさが良く似ていますが、アマランサスは疑似雑穀と呼ばれる分類に属します
白米の約2倍タンパク質を含有し、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。アマランサスのタンパク質は溶解性が高く、白米の3倍以上消化が良いと言われています。またアマランサスに含まれる油と植物ステロールは悪玉コレステロールや中性脂肪などのコレステロール値を下げる作用があると報告されています。
アマランサスはミネラル含有に優れた穀物で、カルシウム・マグネシウム・リン・鉄分など多く含まれています。特に女性が不足しやすい鉄分は豊富で、赤血球の合成に必要で貧血緩和に意識的に摂取したい葉酸も比較的多く含まれています。ちなみに同グラムで比較した場合、鉄分は白米の10倍以上・ホウレンソウの約4.5倍・キヌアと比較しても約2倍の量となります。
ヘモグロビンの原料でる鉄分不足による"鉄欠乏性貧血"が女性の貧血の主な原因であることはよく知られていますが、亜鉛が不足することで赤血球膜の合成がうまく行かずに赤血球が壊れやすくなる"亜鉛欠乏性貧血"が意外に多いということも指摘されています。
アマランサスはビタミンB6、亜鉛、マグネシウムなどを含んでいますから間接的にホルモンバランスを整える働きが期待できます。亜鉛含有量も非常に豊富なため、亜鉛不足予防にも役立ってくれるでしょう。亜鉛は卵子の合成に使われる成分で、不足するとホルモンや卵巣の働きが悪くなり生理不順や不妊症の原因となると考えられていますし、生理前のイライラや気分の落ち込みなどPMS(月経前症候群)の症状がある方は黄体期における血中カルシウム濃度が低い傾向にあることも指摘されています。アマランサスはご飯に混ぜるなどすることで手軽にミネラルが補給できます。
アマランサスは穀類の中では圧倒的にカルシウムとマグネシウムの含有量が豊富です。マグネシウムとカルシウムは合わせて摂取することで抗ストレス・精神安定に役立つという説もあります。またストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの合成・働きを促進させることから「抗ストレスビタミン」とも呼ばれているビタミンB群の一種、パントテン酸も穀類ではずば抜けて多く含んでいます。
そのほかハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンの原料となるトリプトファンも含まれています。アマランサスに含まれているマグネシウムとビタミンB6はセロトニン、ドーパミン、GABAなどの神経伝達物質の生成に関わる栄養素ですから、まとめて摂取できることで利用率向上も期待できます。
食用以外でもアマランサスは紅色の美しい花を咲かせるため、花を観賞用に栽培していたり、
また、その鮮やかな紅色は、アマランス色という染料を採ることができます。
アマランサスの花言葉は「不老不死」、「情愛」などがあり、
その意味はアマランサスの語源や学名の「永遠にしぼまぬ常世の花」から来ているものと思われます。